丘と谷津の硲に憩う

あちこちほっついて身に覚えたことをしたためようと

「機構」

そういえば、「アイドリングストップ機構」とか「アイドリングストップシステム」とかいうけど、「機構」と「システム」って同義なのか?
「機構」は"organization"って訳するのに対して「システム」は"system"と訳することが多いからなんか違うと思った。


小学館の国語辞典(第七版)によれば、

機構
ある目的を果たすために組み立てられた仕組み。メカニズム。
システム
(1)ある規則に従って組み立てられた全体。体系。(2)きちんと組み立てられたまとまり。組織。

ほうほう。目的があるかどうかが問題ってところ?ちょっと別項を見てみよう。

メカニズム
機械の構造。
組織
一定の役割や働きをさせるために、複数の人や物が集まり、全体としてととのったひとつのまとまりを作ること。また、そのまとまり。システム。体制。

ここで「組織」が人の集まりだけじゃないってことに気付かされた。そういえば、「細胞組織」とかっていうわ。でも、英語だと"tissue"らしい。一般だとやっぱり人の集まりを指すばっかりなのかな?


近頃行政改革で「○○機構」と名乗る行政団体が増えたけど、その英訳は「organization」が殆どだ。
省庁の外郭団体というだけあって、特定の目的の下にその人の集まりは動いてる。っていう解釈だと、これは「組織」でも「システム」でも「機構」でもOKになるのか。
後はニュアンスの問題で

  • 「組織」は人の集まりに対して用いるけど、固有名詞に含めない。
  • 「システム」は物の集まりに対して用いる上、外来語だから極力使いたくない。

ってことで、「機構」が選ばれたのかな。


逆に機械を指す場合は

  • 「システム」は物の集まりに対して用いるが、外来語だから極力使いたくない。特にカタカナ語が前に接する場合は。
  • 「組織」は人の集まりに対して用いる。

ってことで、「機構」が選ばれるのかな。


「機構」は"system"とも"organization"とも訳しえる便利な言葉ってところなのかな。うーん、こんなまとめでいいんだろうか。
言葉は深い。