丘と谷津の硲に憩う

あちこちほっついて身に覚えたことをしたためようと

雨引観音へ詣でました

桜川市にある雨引観音を訪ねました。このところ運動不足を補うため、バスと歩きを使う道のりです。

バス開通

東京駅前でよく関鉄バスを見掛けるのですが、そのバスに雨引観音のラッピングがされていたのを見て興味を持ちました。 ただ、先月まで交通機関ではなかなか行かれない所でした。最寄り駅から歩ける遠さではなく、かつ路線バスが全く無かったのです。

しかし、筑波山口バスターミナルから桜川市真壁地区の市街へ向かう桜川市のバス路線が、今月10月から雨引観音を経て岩瀬駅まで延びました。これでようやく訪ねられるようになりました。
私、この情報を春先に見つけてからずっと延伸を待っていました。

(平成29年10月1日~)桜川市・つくば市間広域連携バスの運行について | 桜川市公式ホームページ

バスゆき

都内や柏からはつくばエクスプレスの「筑波山あるキップ」を使うとお得です。 www.mir.co.jp 詳細は上の公式ページのとおりなのですが、ざっくりまとめれば下の運賃が切符1枚に納まっていて、かつそれぞれ買うより安くなっています。

私、バスまで乗れるフリーきっぷというのを初めて使いました。JR線沿いに住まうと、こういう“沿線のリソースをフル活用”できるようなきっぷとは縁遠いので興味深かったです。こういうの、私鉄のおもしろい所ですよね。

つくば駅に着いたら桜川市バスの起点となる筑波山口バスターミナルへ向かいます。つくばセンターからは下のどちらかに乗ります。

筑波山シャトル」と「北部シャトル」はそれぞれ互い違いに発っているので都合に合わせて乗れるようになっています。

ただし、筑波山シャトルは名前のとおり筑波山へ向かうので、筑波山を観光する人で溢れています。
今回私は筑波山シャトルで向かいましたが、乗り切れない人が出て続行便を出すほど賑わっていました。桜川市へ向かうには北部シャトルのほうがいいかもしれません。

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筑波山口に着きました。事前情報で、このバスターミナルはもともと関鉄筑波線筑波駅ということを知っていましたが、本当に廃駅という趣でした。鉄道の線路らしい道なりのつくばりんりんロードだけでなく、駅前の目抜通りがどっしりと構えていて、ホームにはベンチと時計も完備しています。レールと改札口を置けば列車が来そうな雰囲気があってなんともたまりません。

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サイクリングロード(=線路跡)からホームを見上げる

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ホームと時計だけ見れば列車が来そうです

この筑波山口から桜川市へ北上します。 さて、この桜川市バス、筑波山口バスターミナルと岩瀬駅を結びます。そして関鉄筑波線も筑波駅(現:筑波山口バスターミナル)を経て岩瀬駅まで結んでいました。つまり、事実上のバス代行の復活した形になります。

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桜川市バス。関鉄パープルバスが受託。

鉄道廃線のバス路線はおおよそ次第に痩せ細っていって廃止になるのが関の山だったので、これを逆らって公共交通を守る動きが出てきたのは乗り物好きとして嬉しかったりします。頑張ってほしいです。

しばらくすると県道から外れて山のなかに入っていき、雨引観音へ着きます。雨引観音へバスが立ち寄るのは休日だけということでした。

雨引観音

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雨引観音(雨引山楽法寺)

大伽藍が絢爛豪華で魅力的でした。神仏集合の趣もあらゆるところに残っていて、古くから信仰が根付くことを覚えます。

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神社には鈴がよくつけられていますが、代わりに銅鑼を吊っていたのが興味深かったです。昔からの神仏混淆を守りつつ仏教色を出そうとしたのかなと色々考えてしまいました。

あと境内には鶏や孔雀が歩き回っていたり、池では鴨や鯉を飼っていたりして目を引きます。

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孔雀歩く

お寺参りはアミューズメントだなと思いました。今より娯楽の少ない時代にはなおさらそうだったことでしょう。

薬膳中華

薬膳中華という、私としては水と油なんじゃないかと思ったキーワードを連結させたレストランが雨引観音の駐車場にありました。「薬膳中華茶坊 三笠」という屋号です。

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薬膳ラーメン、おいしかったです。

中華なので油をもちろん使うのですが、体にのし掛かるようなギトギトさはなく、むしろいたわるような味付けのラーメンでした。お寺参りとセットで食べることでご利益ありそうです。

真壁の町並み

桜川市バスは雨引観音へ至る道中に桜川市真壁地区の中心街を通るので寄ってみました。
ここは「真壁の古い町並み」が有名です。国登録文化財の建物があちこちにあるということでヴィンテージな町並みが好きな人には薦めたい場所です。

……とはいえ雨引観音のついでだったので「気になる」以上の情報を仕入れずにノープランで町並みをめぐりました。

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真壁の古い建物々々

市街地なのにも関わらず時間がゆったりと流れる落ち着く空間でした。

それは昭和後期から平成にかけて起こった時代の変化から取り残されたということでもあるのですが、それにも関わらず子供の遊ぶ声などが聞こえ、寂れきった趣ではありません。

真壁の町は生き急いで変わりゆくわけでもなく、それでいて朽ちゆくわけでもない不思議な温度感があって好きになりました。

東京郊外のゆったりを味わいたい

こういうゆったりとした趣を味わえて、心をやすらえられました。今度はどこへ行こうかな。

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なんかほっこりしました